作者・芥見下々
レーベル・週刊少年ジャンプ
読んだら誰もが「領域展開」と一度は発したくなる。呪術をテーマにした、ディープな世界感の時代を代表する作品。
主人公は虎杖悠仁、高校生。学校で起きた事件により呪物を食べ、呪術師として人生を歩むことになる。
呪術と言う世界観もあり、物語は基本的には思い空気である。話も深く、人間の醜さも生死を伴う作品だからこそ、嫌なほど伝わってくる。
「鬼滅の刃」、「チェーンソーマン」、「進撃の巨人」の様に、衝撃的、残忍な演出で話題を呼ぶのが時代の流行りなのか、個人的には手法はこれらの作品と似ていると感じてしまう。
規制も緩く、好き勝手に描けた時代により、綺麗ごとだらけの世の中のストレスを経て、また多少規制が緩くなったのか、ストレス故にこういった作品が流行ったのか。
小学生以下には読ませたくはない。
私が嫌なのが、子供から大人、老若男女、世界を含めて話題になったこれらの漫画だが、「子供」も今はスマホでアニメを観れてしまう。
安易に残虐な人間の模様を伝えていいのか、不安である。
子供に対する大人の規制が緩むどころか、親と一緒になって楽しむ作品ではあってはいけない気がする。
なので、こちらの作品は小学生以下には出来るだけ読んで欲しくはないと言うのが正直な感想です。
呪術のテーマがより話の世界観を深くする。
主人公は王道の真っすぐな性格だが、そんな主人公の真っすぐさがより、暗い世界観を深くする。
呪術のテーマは人間の暗い深い部分に大きく関係するのと、生死にも大きく関わる為、それも相まって更に魂の奥底まで届く程、深い所まで引きずられる感覚だ。
正義とは悪とは。明らかに絶対悪とも思えるものも出てくるのだが、悪でも一概に絶対悪とも言えないものも出てくる。
そういった意味で考えさせられる部分が多い。
また、「呪い」とは何かと言う事も改めて学べるのではないでしょうか。
登場人物も深くて、存在が大きいのも作品の特徴。
様々な登場人物の設定や話も深いものもあり、それによりキャラクターの存在が大きくなるのもこの作品の魅力的な部分であると思います。
参照の動画にもあるのは最近良くある「0巻」の物語。
0巻は最近良くある作品の過去の話だが、その0巻が出るまで謎であった人物の乙骨憂太の話である。こちらは1つの同作品別枠にして起承転結見事に完結出来る感動的な話です。
アニメではこちらを単体映画にして、大人気でしたね。
そして主題歌も私の大好きなKINGGNUさんの「逆夢」。
本当に素晴らしいです。
ただある意味本当に凄いのが、完全に0巻の作品、映画の為に作っている歌です。これら一生ペアで魂に残ると思います。曲、歌詞見事に作品の世界観とこの上なく融合してます。
話は逸れましたが、そういった登場人物、切り分けても一つの作品が出るくらい、魅力的な登場人物が出てくるのも作品の魅力だと思います。
特に1,2位を争う人気の、物語に大きく関わる五条 悟は私も一番好きな人物です。
単純に強ければ良いという話では無く、その強さと引き換えに起きる代償、そういったバランスも見事に設定していると思います。
それを個で小さく表現しているだけでは無く、作品全体の対としての影響もお見事としか言いようがありません。
深い部分と浅い部分のバランスが気になる。
テーマも物語の大小の部分がとても深いのに、一応少年向けなのか、時代の流行りの部分なのか、部分部分が浅いのが時々違和感を覚えてしまうのが難点でした。
恐らく、深い話や設定が上手く出来ているからこそ、一部の設定や展開の浅さがより目立ってしまったんだろうなという事もあるのかも知れません。
但し、最近流行の深そうな漫画に比べたら、無理矢理感も無く、総合的には今の時代の作品では頭一つ抜けていると思います。
結論。間違いなく「呪術廻戦」はこの時代の歴史に残る代表作品となるでしょう。
テーマと総合的に話が暗く、深いので、分かりやすい「鬼滅の刃」、インパクトが強い「進撃の巨人」に埋もれた感がありますが、私的には「呪術廻戦」が同系統で言えば、断トツ歴史に残る素晴らしい作品だと思います。
是非「大人」にはおすすめする作品となります。